手荒れ

手荒れとは?

 手荒れ・手湿疹とは、手のひら・手の甲・指先に生じる湿疹の総称のことを云います。皮膚科外来の3-4%程度を占める頻度の割と多い疾患にもかかわらず、古典的な皮膚科の教科書に項目がないことが多いです。

 手のひらは角質が厚く外力に対して、比較的丈夫に出来ていますが、かぶれに始まり様々な刺激が加わると、強い痒みやじくじくした状態・皮が剥けたり・硬くなって角化が強くなったり色々なパターンの湿疹変化を示すことが多くなります。
 また、季節性に起きる汗疱(異汗性湿疹)・掌蹠膿疱症・手白癬・疥癬や各種ウイルス性発疹などの鑑別疾患も沢山あります。仕事上のかぶれなどが強く疑われる場合は、原因物質の同定のために大学病院へ紹介し詳しいパッチテストなどを行ってもらう必要も生じます。

 ※写真は、あることがきっかけで皮剥けが治らない院長の左2指。

●当院での治療方針

 教科書上は、手の平の皮膚は角質層が厚いため原則ストロングクラス以上のものを使うとなっていることが問題です。実際は手の湿疹は、刺激の繰り返しや慢性化した湿疹変化により角質層が薄くなったり、指紋が消えてしまっているケースが多い印象です。

 そのような場合は、ステロイド外用剤の浸透性が高まっており、かつ皮膚菲薄化の副作用が出やすい状態なので原則、強くてもストロングクラス以下のものをベースに治療を行っていくのが基本と考えます。弱まった皮膚は、微小な傷がたくさんあるのと同じなので、保湿はワセリンベースの混合薬を使うのが良いと考えています。

 指先などに傷が出来てしまってカットバンを長く貼っていたケースでは、皮膚カンジダ症の併発にも注意が必要です。カンジダ症の臨床的判断は、わりと簡単であるものの真菌症の本では必ず検鏡で菌糸がでたことを確認して治療するのが基本とされています。カビに注意も必要なのですが、ある程度のステロイド外用剤をつかっていく必要があるのは、本疾患もアトピーも共通であると考えます。

 

※治療の問題点は、教科書的に書いてある古典的常識と逆の治療をしないと治していけないことにあります。いわゆる皮膚科の常識に逆らった創傷治癒的な考えをしないと治せないのかなとも、思うことがあります。(最近、ノーベル賞を取った先生も話してましたね・・・本に書いてある常識を疑え!)

皮膚外科・創傷治癒治療を長年おこなってきた院長が治療にあたらせていただきます。もちろん、当院のスタッフも自らの手湿疹を治したベテランが指導に当たりますのでご安心下さい。

 ※院長の指の荒れのつづきです・・・・頑張っても最後がなかなか。今はほぼ略治しています。どういう治し方をおこなったかは、ご来院いただいてから。
 現在の院長の指を見たい方は、おっしゃって下さいね!
 

当院での治療に関するお願い

 皮膚科の大家の先生によると「薬はシンプルなほど良い」という考えもあります。

 一方で、手荒れの初期は「外用剤+保湿」などのシンプルな処方で治ることも多いのですが、一度こじらせてしまうと「治療薬を組み合わせたり、状況に応じて外用を追加していく必要」が生じてしまいます。

 

  • ひび割れに対して、「傷を治すお薬」
  • 酷いがさがさ、痒みに「ステロイド外用+亜鉛華軟膏」の重層療法
  • 酷く苔癬化した皮疹にはクリーム剤
  • 薄くなって皮膚には「強さのランクを下げた薬」
  • 指先の甘皮の炎症に「カビを抑える外用剤」
  • 症状が長引き、弱った手の皮膚には「先代院長の処方に工夫をした混合保湿剤」
  • 改善傾向に「ヒルドイド」のオリジナルクリーム

 

など、手荒れは「狭い範囲の皮膚」に様々な皮疹が混在しますので、どうしても「外用剤の使い分け」が必要となってしまいます。

 さらに、完全に症状が落ち着くまでは「ちょっとした刺激・油断」で悪化してしまうこともあります。先代院長の診療を手伝い始めて17年、先代から「大木皮膚科」を継承して10年・・・多くの手荒れの患者さんを診させていただきました。はじめは、力及ばす「治しきれなかった手荒れ」が、当院の治療で「はじめて良くなった!」というお声もいただきます。

 手荒れ治療に頑張って取り組んできた「よかった!」と思える瞬間です。手荒れ治療は完全に落ちつくまでは時間が掛かってしまいますが、一緒に頑張っていきましょう。

 


●なかなか他院で治らない方は、

 当院まで是非ご相談下さい・・・

大木皮膚科/担当;大木更一郎
〒14-0023大田区山王1-4-6
電話;03-3776-2220

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