水虫・爪白癬

水虫

 水虫とは、真菌の一種である白癬菌が皮膚に寄生して生じる感染症です。別名”足白癬”とも云われ、昔にお百姓さんが田植えをした後に足の皮が剥けたりしたことから、”水のなかの何らかの虫”が悪さをしていると考えられて俗に「みずむし」と言われるようになったそうです。

 

 日本では現在、2500万人以上が罹患されているとされ、座敷・プール、ジムなどのバスマットや床のあらゆる所に菌が存在するとされます。白癬菌は皮膚の角質層につくのですが、住み着く場所によって爪白鮮・頭部白癬・体部白癬・股部白鮮(いんきんたむし)とも呼ばれます。

 症状はみずぶくれ形成や皮剥けがあることがほとんどですが、病変部位によって趾間型・小水疱型・角質増殖型などがあります。びらんを形成した場合に風呂などで擦ってしまうと、2次感染を起こして化膿したり蜂巣織炎を起こすこともあります。市販のお薬を塗ってしまうと、かえってかぶれてしまうこともあり、場合によっては皮膚炎の治療を優先する必要もあります。

 

※手白鮮が心配でご相談に来られる方がいらっしゃいますが、手に出る方のほとんどが足の症状が酷い方のみです。

 

 検査は、足の皮剥けや水疱部分を採取して、KOH法にて角質を融解してから顕微鏡で白鮮菌の有無をチェックします。足の皮膚病には色々な鑑別疾患がありますが、まずは顕微鏡検査をしっかり行って足白癬を見分けておくことが大切です。

 

 皮膚糸状菌(白鮮菌)には、Trichophyton rubrum および Trichophyton mentagrophytes の2種類で95%以上を占めるとされますが、治療法は共通のため通常の足白癬の検査では顕微鏡検査のみで充分です。

 一方、爪白鮮や体部白癬ではさまざまな白鮮菌が起因菌になる可能性があり、できれば真菌培養も行った方がよいとされますが、真菌培養に対応した医院が少ないのが現状です。

 

 治療は抗真菌剤の外用が基本です。いろいろ新しい外用剤もありますが、注意してつかわないと、1割程度の方に”かぶれ”が出てしまうこともあり、なるべく刺激の少ない外用剤を優先して使っていくことが大切と考えております。しらばく通院いただき、まず皮剥けがちゃんと治ることと、治ってから少なくとも1,2ヶ月外用を続けることで治癒すると考えられています。

 

 爪白鮮の治療は以前は、抗真菌剤の内服が基本的に必要でしたが、爪専用の外用剤も使えるようになり治療が行いやすくなりました。

 

当院での「みずむし治療」の特徴

  • みずむし(白鮮)治療の基本は、顕微鏡による白鮮菌の同定(糸状菌検査)です。基本的にお一人お一人に対して検査をしっかり行うように心掛けております。
  • 足以外の白鮮では、「動物からの感染」、「土壌からの感染」、「スポーツによる人からの感染」など特殊なケースがあり、「真菌培養」も行っております。
  • 爪白鮮では、「白鮮菌の同定率」を挙げるために、爪の病巣部分を開窓して検体を採取しております。また、長引く爪白鮮では、「さまざまなカビ菌」が複合感染している場合もあり、培養検査が必須となります。
  • まずは、お体に負担の掛からない「外用治療」を行うようにしております。患部の爪を切ったり、削ったりしていくことで「外用療法の有効率」を挙げるように工夫をしております。
  • さらに、数ヶ月外用を行っても「改善傾向がみられない時」には、「抗真菌剤内服治療」もご提案させたいただいております。
  • 内服治療には、「テルビナフィン、イトリゾール、ネイリン」の3種類がありますが、爪の状況や禁忌併用薬の有無を確認の上、適切なお薬を使うようにしております。

     

    爪白鮮の治療をいったん始めてしまうと治療には時間が掛かる一方、途中で菌の検出を行う事はほぼ不可能です。それだけ、始めに診断した医師の責任が重たいということです。当院では他院で爪外用剤が処方された方の継続治療はお引き受けしておりません。

    ※治療を行う場合は一度、外用剤を中止して再度顕微鏡検査・培養検査を行わないと診断が確定できません。

    ※水虫、とくに爪白鮮治療には、「定期的な通院」が必須となりますので、ご了解の上受診されるようお願い申し上げます。


     

    ●足白鮮・爪白鮮でお悩みなら、当院までぜひご相談ください。

     

    大木皮膚科
    大田区山王1-4-6
    電話;03-3776-2220

     
    白癬菌の顕微鏡検査爪白癬の真菌培養などを随時行っております。必要に応じて菌種の同定まで行える体制を整えております。

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