ほくろ除去
ほくろとは?
ほくろとは、別名”母斑”(nevus pigmentosus)とも呼ばれ一般的には、メラノサイト系の色素性母斑を指すことが多いです。体質的素因に基づいて、生涯のいろいろな時期に発症し、ゆっくりと大きくなります。通常、生まれたばかりの赤ちゃんにはないことが多いですが、3-4才くらいから小さなものが出来てくるようです。
母斑と一口に云っても、扁平母斑・太田母斑・表皮母斑・脂腺母斑などさまざまな種類があります。色素性母斑は、メラノサイト系細胞の限局性の増殖異常ですが、病理学的に検査をすると”良性”であることが多いです。
形状は、表面が平滑なものからドーム状・有茎性などさまざまで、ときに剛毛を伴うこともあります。 先天性の大きな色素性母斑には有毛性のことが多く、”獣毛性母斑”と呼ばれ、稀に”悪性黒色腫”がでることがあり、頻度は1%以下~5%程度と報告によりまちまちとなります。
診断には、ダーマスコピーが重要ですが、当院では5種類のダーマスコピーを場合により使い分けております。カメラのモニターにて、拡大写真をお見せすることも可能です。やや大きめのものや形がいびつなもの、不規則に隆起を伴ったものは悪性黒色腫との鑑別が大切になります。
治療は、ダーマスコピー所見より良性と考えられ1,2mmの小さなものでは無理に取る必要は低く、経過観察とすることも多いです。やや大きめのもの~大きさが5,6mmを超えるものでは悪性化のリスクや整容面を考えて、外科的に、ほくろ除去が行われることがあります。
おおよそ3-4mm以上のものでは、色素細胞が真皮の深層まであることが多くレーザーなどで無理に取りに行くと、やや肥厚性瘢痕状になってしまうことがあります。直径1,2mmのもので明かな良性のものはレーザーや電気焼却で切除してもよいですが、3,4mm以上の大きなものでは皮膚外科もしくは形成外科医師にきれいにメスで取って縫合してもらった方が傷跡もきれいになりますよ。
当院でのホクロ除去手術の特徴
- 形成外科専門医、皮膚腫瘍外科指導専門医である院長が直接、手術を担当致します。
- 大きなホクロでは、皮膚のシワに沿った紡錘形のデザインにて「丁寧に切除」を行った上で、極力凹凸が目立たないように、「真皮縫合(中縫い)」にて皮膚をぴったりと合わせていきます。皮膚表面は、細いナイロン糸にて縫合を行い、キズ跡を目立ちにく仕上げます。
- 小さなホクロでは、局所麻酔下にて「くり抜き法」にて治療を行います。拡大鏡下に「黒くなったホクロ組織」を持ち上げて、鋭利な形成剪刀にて丁寧に切除を行います。1~2mm程度のものでは、縫合せずに外用治療にて皮膚を上皮化させて治していきます。
本法は、炭酸ガスレーザーのように皮膚を焼くことはないので「治りがよい」ことが特徴となります。 - やや大きな盛りあがったホクロでは、局所麻酔下に「盛りあがったホクロ」の切除を行いつつ、皮膚に喰い込んだホクロ本体の切除も同時行います(くり抜き法変法)。その場合、中心部分が小さく凹みますので、必要に応じて1~2針の縫合できれいに仕上げていきます。
※申し訳ありませんが、上記の手術は、院長が直接お一人お一人に、「時間を掛けて丁寧に」行っておりますので、一度に対応できる部位は「1カ所に限定」とさせて頂いております。
●当院では、皮膚腫瘍摘出手術をご予約にお受けしております。
・手術日;〔火・金お昼休み1時半~or午後早めの時間〕に行っております。
(※但し、10~15分程度終わる小腫瘍に限る)
診察させていただき状態を拝見してからご希望にて予約を取りますので、まずは外来にご相談に受診されて下さい。予約は、2,3カ月程先になります。男性医師(院長)が手術を担当するため女性の股部に近いもの,胸まわりの腫瘍、および大きな腫瘍や数が多数ある場合・顔面などの形成手術が必要なケース・悪性の疑いのある時(緊急性がある場合)などは、近隣の大学病院等をご紹介いたします。
※夏期の6月~9月は予約手術は中止しております。なお、本年の手術枠はすべて埋まってしまっております。
※皮膚腫瘍外科指導専門医である院長が、手術を担当致します。