WEB順番予約とは?

WEB順番予約とはなんでしょうか?

 WEB順番予約とは、従来クリニックに直接いって「受付をして順番に診察していたもの」「WEBで順番の予約」をできるようにしたものです。医院で直接受付した順に診察することを「順番受付制」とも云い、医院でのオペレーションが簡単であり、公平性の観点からも従来さまざまなクリニックで取り入れられていました。

 一方で、クリニックでの「順番受付制」では患者さんの数が増えて混雑してくると「院内での待ち時間」30分~1時間はおろか、長いと2~3時間待ちがあたりまえになってしまうこともあります。そこで、当院では医院で順番に受付したあとに「院外でも待ち順番がQRコードで分かる待ち順番システム」を取り入れていました。

 さらに、院内での滞在時間や受付してからの待ち時間軽減のためには、「WEB順番受付の導入」が必要と考え、令和7年6月から現在の予約システムを導入いたしました。

予約制の種類について

 WEB予約制と聞くと患者さんによっては「待ち時間ゼロ」「決められた時間」にお待たせしないで診察してもらう事を期待してしまうかもしれません。以上のことを「完全時間予約制」と呼びますが、患者さんによって診察時間がまちまちであり、待ち人数の多い皮膚科には向かないのが実際です。

 「完全時間予約制」がむく診療科としては「歯科・心療内科など」の比較的絶対的な人数が少なく、かつ診察時間が一定の場合に運用がしやすいでしょう。

 一方で、医院で順番受付していたものを「自宅や外出先」からネットで予約できるようにしたのが、「WEB順番予約」となります。お一人あたりの診療時間が前後し、かつ患者さん数の多い「耳鼻科・皮膚科・整形外科など」に向くとされます。

 さらに、当院では「巻き爪/魚の目・イボ治療など」の通院頻度の高い疾患に対してWEB問診をご記入いただいた上で「時間帯予約枠」を少数ながら設定しております。以上のようにWEB予約には、①時間予約制(完全時間予約)、②順番予約(WEB)、③時間帯予約の3つの種類があるとされます。

WEB順番予約のメリットは?

 従来の「医院内での当日順番受付」では実際にクリニックまで行かないと受付できませんでした。さらに混雑してくると院内での待ち時間が徐々に増えてしまうことがデメリットでした。良く病院の待ち時間は何で長いんだという記事がでるほどですね。

 そこで登場するのが「WEB順番予約」となります。クリニックまで行かなくても「自宅や外出先から医院での順番受付」が可能であり、医院へ早くいく手間が減らせる・院内での待ち時間が軽減するなどが患者さんにとってもメリットとなります。また、医院においても「コロナ感染流行時」には院内の混雑緩和がはかれるなどのメリットがありました。

 患者さんは、順番予約サイトにアクセスし、「WEBでの順番予約」を取得し、システムから受付番号(当院ではAから始まる数字)を割り振られます。サイトでの待ち順番状況が可能であり、順番が近づくとメール/ラインなどでの通知がいく仕組みです。来院後は医院受付に「受付番号とお名前」をお伝えいただくとスムースに受付がなされます。

 待ち順番が近づいてからの院内受付となるので、「待ち時間がゼロにはならない」ものの、従来の医院においての順番受付よりも待ち時間(=院内滞在時間)が少なくて済むのが特徴です。

 一見、理想的なシステムに思える「WEB順番予約」なのですが、デメリットはなんでしょうか?

WEB順番予約のデメリットは?

 WEB順番予約では、通常医院での受付より早い時間に申し込むことができますが、「そのかわり午前or午後なりの早めの時間を空けておく必要」があります。診察をWEBで申し込むときに「おおよそ何人待ち」なのかは分かりますが、何時に呼び出されるのか確定していないのです。

 すなわち、診察を申し込んでしまったが、「用時があっても何時に終わるのか明確ではなく」、お昼の仕事の合間やお仕事帰りに診察に行こうと思っても、仕事が終わってから予約の順番に確実にいけるか定まっておらず、お困りになるということもあるかと思われます。

医院での当日順番受付のメリットは?

 今まで当院では、「多少混んでいても診察時間内に受付」すれば診てもらえることが、「地域貢献に繋がるとの思い」からWEB予約制を取らずに、順番受付制を維持してきました。さらに、一度受付してしまえば、「院外に外出しても待ち順番がわかるシステム」を入れていました。一度受付してから、待ち順番が長ければ食事や買い物をしてお時間の有効活用を可能としていました。

 お仕事の昼休みやお仕事がなんとか終わって、診察時間内に受付さえすれば、診察してもらえることができたのです。もちろん、診察終了間際に受付する患者さんが多いと、「医師一人の診察」では待ち時間が長くなってしまいます。

WEB予約制の導入への当院の対応

 ネットの書き込みなどに何故当院はWEB予約制でないのかと、「一部の方からのお叱り」もありました。一方で、待ち時間が長くても「QRコードよりお待ち合い状況」をみて待つことに好意的な意見もあったことも事実です。

 しかるに、当院に来院されていた患者さんは、待ち時間が多少あっても順番に診察する公平性や診療時間内に受付すれば確実に診察してもらえること支持してきた方々だという考えに至りました。

 そこで、「WEB順番予約」を取得出来る時間帯を「前日朝9時~当時の午前/午後の診察開始前」までとし、当日の午前/午後の予定がわかる方への対処を継続しつつ、直接来院受付の枠も一定数確保(診察可能人数の半数以上)することにしました。

 午前/午後の前半はWEB予約の方も入ってきますが、「お昼前・夕方の診察終了間際」では主に直接ご来院する方を受け入れる体制です。

なお、非常に混雑した時には当日受付が早めに終了する事がありますので、ご了解の上でご来院ください。

⇒午前/午後の受付が早期終了した時は、当日午後or翌日のご予約をお取り下さい

WEB順番予約制と順番受付制の医院での問題点は?

順番受付制の問題点は?

 医院での順番受付制の問題点としては、患者さんの来院程度によっては「日中に空き時間」がでてしまったり、午後の受付時間ぎりぎりに多くの方が来院されると、院長のみでなく「スタッフの残業時間」も増えてしまうことが問題と考えていました。とくに大森近隣の皮膚科では「予約制を導入している医院」が多く、当日急に症状がでて困ってしまった・予約が取れなくてお困りになったという方も受け入れていたのが、当院だったのでしょう。

 予約制を導入することによって「国からの通達」によれば、診察人数の上限を設けても「医師の応酬義務違反には該当しない」という判断もあります。一方で、できる限り当日順番受付枠も維持する考えですが、非常に混雑したときには「当日受付が早期に終了」することにご理解・ご協力いただけますと幸いです。

 WEB順番受付制の医院での問題は?

 じつは、多少混雑していても、「当日順番受付の方」が院内の受付スタッフの業務はシンプルです。初診の方は「保険証/マイナ保険証」からカルテを作成し、再診の方は診察券を器械に通せば電カルでの受付は完了します。

 最近では、「クラウド電子カルテ+WEB受付/問診」という完全一体型システムもあるそうですが、普通は電子カルテシステムとは別の予約システムを運用することとなり、スタッフの負担は確実に増えてしまうのが実情です。電子カルテシステムとは、別の予約画面での操作/診察券番号入力にはじまり、初診の患者さんも予約システムに登録しないと人数がカウントされないのです。

 また、WEB順番受付の締め切り時間を遅くするほど、「実際には医院での受付終了時間」に間に合わない方も登録してしまい、平気で遅れて来院されたり、1日3,4件以上の無断キャンセルがでているのが実状です。多くの当日順番受付システムでは患者さんからキャンセルできない設定なのが通常であり、間違って予約したり・当日に急用ができてキャンセルの場合には電話対応が増えてしまいました。

 現在、予約システムの運用について院内で工夫をして、如何に効率的にできるか検討しています。

なお、当日順番受付した方も、従来とはシステムが違いますが、順番状況案内をリアルタイムで確認することができますので、今後とも待ち時間の有効活用をお願い申し上げます。
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