巻き爪の正しい切り方は?ー画像で解説ー

 巻き爪の切り方が分からない、自分で切れないので切って欲しいと云う患者さんがよくご来院されます。ここで問題なことは、他院にお掛かりの患者さんが「巻き爪だから爪を伸ばしなさい」という指導を受けて、「逆に巻き爪を伸ばしすぎてトラブルを起こしてくるケース」が見受けられることです。


 巻き爪の切り方について成書などを調べてみると「スクエアオフカット」という記載はあるのですが、一方で「長さ」に関して明確な記述をしたものは見当たりません。さらにインターネットで検索すると、「ほとんどのサイト」が爪の長さについて「指先の皮膚と同じ長さ・もしくは1mm長め」という事になってしまっています。これは本当のことなのでしょうか?


 当院では、巻き爪の切り方は、「ラウンドスクエア型」が基本であり、爪を切る長さに関しては「指先皮膚より1~2mm短く」が理想的であるとご指導しております。個人差はあるものの、伸ばしすぎた爪は靴を履いたときに圧迫される、巻き爪が余計に悪化するなど「多くのデメリット」があるからです。

 

巻き爪の切り方・スクエアカットオフとラウンドスクエアの違いとは?

スクエアオフカットとはどのような切り方なのでしょうか?

 「スクエアオフカット」とは、元々はネイルケア用語のひとつであり「手爪の切り方の分類」として使われてきました。太古より手爪を装飾するために「植物性の染料」や「ニス・クリーム」などを爪に塗ったり、磨いたりする事が「爪のケア」として行われてきました。20世紀初期にはアメリカで、速乾性ラッカーが開発されて、これが手爪に応用されて「マニキュア」によるネイルケアが始まったとされています。


 アメリカで起こったネイルアートブームが日本へ入ってきたのは1970年代頃からであり、1980年代になると、ネイルサロンが町の至るところに見られるようになりました。さまざまな形で「手爪」を伸ばすことは「手の指」をすらっと長く見せる効果もあることから「ネイルアート」への認識も徐々に広まりブームとなっていきます。
 伸ばした手爪の切り方については「形状」として主に、「スクエア、スクエアオフ、ラウンド、オーバル、ポイント(アーモンド)」という5種類のカット方法があります。

  • スクエア;読んで字のごとく、爪先のかたちを丸めずに「ほぼ四角く=スクエア」に切ることです。爪に強度が出て割れにくいメリットがある代わりに、角が衣服などに引っかかりやすいため「ほんの少し」だけ角を取っておくようにします。
  • スクエアオフ;スクエアよりも「爪先の角に丸み」をつけた形です。適度な強度があり、角に丸みがあるため日常生活で使いやすい形となります。爪先にストレートな部分が残るのが「特徴」です。
  • ラウンド全体に丸みを帯びた形に切ることです。緩やかなカーブは自然にみえることがメリットで、手爪を普通に短く切るときにもお勧めの形状です。
  • オーバル;オーバルとは、「楕円状」の卵のような形をさします。側面を爪先に沿って少しずつ細くなるように整えていきます。指先をすらっと長くみせる効果があり女性らしいイメージとなります。
  • ポイント(アーモンド);ラウンド、オーバルよりも更に先の形をシャープにしたものを指します。見た目が似ていることより「アーモンド」とも呼ばれ、指先をより細長くみせる効果があります。

足爪の正しい切り方は?

 足爪について「特に母趾の爪」の切り方に関しては、「スクエアオフ」もしくは「スクエアオフカット」ということが成書にも記載があります。しかしながら、「その形に切るべき根拠」についての記載が見当たりません。

※上記の①②③は、著者が本を実際に買って内容を確認したものです。

 元となる文献の検索をおこなうと、2007年宮川は、足の爪切りの基本は「スクエアオフ」に切ることであり、足の爪を「手の爪」と同じように切ってしまう人が多いことが、陥入爪・巻き爪の発生原因となると述べています。

※上記は2007年Derma【ありふれた爪疾患の対処の実際】爪のケアと爪切りから引用

 確かに、手爪「爪の遊離縁(爪床から浮いて白く見える部分)」が長すぎると、「指先を使いにくい・不衛生」などの理由である程度短く切ることが一般的です。一方で、足の親指「足趾を踏ん張る・歩行時に踏み出す」ときに、地面を押さえる力がつよく掛かる部位(母趾把持力=10~20kg程度)であり、それに拮抗する「母趾の爪」は、足の指先皮膚や側爪郭に掛かる地面からの力に対抗できる形・長さにしなくてはなりません。

 すなわち、「足の母趾の爪」を手の爪と同じように、「白い部分=爪甲遊離縁」をすべて切ってしまうと、「側爪郭」に掛かる地面からの力に対抗できなくなり、①喰い込んだ皮膚が炎症を起こす、②爪の支えがなくなり「巻き爪」が進行することになってしまうのです。「足の爪を切りすぎる弊害」について警鐘を鳴らしたという意味で「足爪、とくに巻き爪ではスクエアオフに切る」という提起は意味のある事であったと考えられます。一方で、論文報告当時は「爪切りの形状」が細分化されておらず、「現在のラウンドスクエア(=アークスクエア)」のことを「スクエアオフ」と説明してしまったものと考えられますね。

 しかし「多くの巻き爪治療」、とくに巻き爪矯正をおこなっている当院において、「正常なレベルの弯曲」を取り戻した足爪では「いわゆるスクエアオフに切る」角が飛び出して靴に当たってしまうなどの問題を起こすことも事実です。これはどういうことなのでしょうか?

 

担当医師からのコメント
 今から15年以上前(2007年前後)は、マニキュアやスカルプネイル(付け爪)が主流であり「スクエアオフカット」が流行していた時代でした。どうやら、最初の足爪の切り方の報告で「ラウンドスクエア」である形状を、スクエアオフと呼んでしまったために、その後よく検証されることなく呼び方だけが「ひとり歩き」してしまったのかもしれません。
 長さに関しても宮川先生は、平らなものを足趾先端に当てて爪が当たらない長さとしていますので、「足趾皮膚よりも爪の長さは短く」が正解ですね。

理想的な足爪の切り方「ラウンドスクエア」

 足の母趾、とくに巻き爪の切り方で大切な事は、爪の側縁を切りすぎないことです。爪の側縁は、足趾が地面を踏みしめる力に拮抗してバランスを取っています。足爪を切るときの目安としては、「爪側縁」が「側爪郭末梢の皮膚上」に出ていることがとても大切です。すなわち、特に爪側縁の先端「側爪郭末端の皮膚」の上に乗っていることによって、爪が喰い込みにくくなり、足趾をしっかり踏み込んだときに爪が開く力となるのです。

 当院では数多くの巻き爪患者さんの診察をしており、足爪の切り方の基本は「ラウンドスクエア」であるとご指導しております。なぜならば、正常~軽度の巻き爪では、上記の爪側縁が「側爪郭末端」から皮膚の上にでる部分は、足指の末端より少し内側にあることが多いからです。一方、「スクエアオフカット」にしてしまうと、爪縁先端が「足趾皮膚の先端」よりも伸びている状態となり、伸ばしすぎとなってしまうのです。

 正常な弯曲の爪・もしくは軽度の巻き爪では、伸ばしすぎない適切な長さで切ると、「ラウンドスクエア」になることが自然な良い爪の切り方と言えましょう。

 

医師のひとりごと
 インターネットでの足爪は「スクエアオフ」に足先皮膚と同じ長さで切ると云う記事をみて、本当に爪を切らずに我慢してスクエアオフに皮膚と同じ長さまで伸ばしてくる患者さんがいます。いや・・・本当に伸ばしすぎと感じてしまいます。 ネットで良くあるスクエアオフの絵には、「実際に爪をそこまで伸ばした写真」が載っていないことが特徴です。ネット記事のデメリットは、元文献を調べたり、実際に検証することなしに他の記事を「真似」しただけのものが多い事ですね・・・

理想的な爪の切り方「ラウンドスクエア」とは?

 「ラウンドスクエア」とは、「スクエアオフ」と「ラウンド」の中間くらいの形を指します。スクエアオフの直線部分を軽く落として「指先の形」に沿ってやや丸めた形としつつも、「角を残すデザイン」となります。弯曲の程度は、「ラウンド」よりも丸みが少なく「足趾先の形」に沿う緩めのカーブとなるのが特徴です。

コメント
※巻き爪矯正の一つである「ペディグラスの講習会」でも小島賢子先生から同様の指導がなされています

 

スクエアオフとラウンドスクエアのメリット・デメリットは?

巻き爪を切るべき理由・切り方での問題点はなんでしょうか?

 スクエアオフとは、スクエアカットより「やや角を落とし」、角に丸みをつけることと、「爪先端部に直線な部分がしっかり残る」ことが特徴でしたね。

●足爪をスクエアオフに切るメリット
  • 巻き爪においても、切りすぎるリスクが少ない
  • 切り方の説明がシンプルで分かりやすい。
  • 伸ばしすぎた場合にも割れにくいなど
●足爪をスクエアオフに切るデメリット
  • 爪端が靴などに当たり、巻き爪の痛みが返って悪化する
  • 伸ばしすぎた爪の角が圧迫されて「爪の伸び」が悪くなる
  • 爪端を伸ばしすぎることで、爪下にカス・汚れが貯まりやすい
  • 爪端を伸ばすことで、本当に巻いている奥の観察がしにくくなる

 など、スクエアに切って「少し角を丸める」だけでは、巻き爪の切り方としては不十分で、デメリットの方が大きくなってしまうのです。

 


 ラウンドスクエアとは、「スクエアオフとラウンドカット」の中間くらいの切り方を指し、爪の角もある程度残しつつ「爪先が指先の形に沿った緩やかなカーブ」を描くことが特徴でしたね。

●足爪をラウンドスクエアに切るメリット
  • 足爪の形に沿った理想的な爪の切り方であること
  • 角をある程度残すデザインのため巻き爪予防となる。
  • 爪縁先端が側爪郭末梢皮膚のうえに出るため爪が巻きにくい。
  • 爪が圧迫されにくいため「爪の伸び」が障害されないなど。
●足爪をラウンドスクエアに切るデメリット
  • スクエアオフよりも爪端の状態を正確に整えるのにコツがいる
  • 爪先端のカーブを各人の爪の具合をみながら調整する必要がある
  • 巻き爪の程度により「かなりスクエア気味」にしたり、強度の巻き爪では「逆ラウンド気味」にすることもある

 など、より巻き爪ケアに精通した医師もしくはネイリストの方の指導がいることです。具体的な切り方のコツは後述していきます。

【コラム】バイアスカット=ラウンドカットなのでしょうか?

 良くラウンドカットと混同される切り方に、バイアスカット(bias cut)というものがあります。バイアス(bias)とは、「偏り・斜め」という意味であり、「バイアスカット」は元来洋裁の用語で「生地の目に対して斜めに切る」ことを云います。
 転じて巻き爪においても、「バイアスカット」とは大きく斜めに爪を切り込んでしまうこと、いわゆる「深爪」となる切り方をさします。「ラウンドカット=あくまでスムースに角が丸められている状態」よりも、さらに深く切ってしまうことが、バイアスカットといっても良いでしょう。

足爪を切る長さが「指先皮膚より1~2mm短く」が良い理由

 足の爪、特に巻き爪の切り方では、伸ばしすぎも、切りすぎも良くなく「適切な長さ」が大切となります。

 良くある爪切りの間違いは、

  1. 普段から「爪の遊離縁=皮膚から浮いた白い部分」全て切ってしまう。
  2. 「爪が皮膚に食い込んで」痛くなってしまったときに、どんどんと奥に深く切り込んでしまう。
  3. 爪を端までしっかり切ることに失敗して、切り残した爪が棘のようになり皮膚に刺さり炎症を起こす(爪棘)。
  4. 奥に切り込んだ部分に炎症を起こし肉芽形成してしまい、通常よく行われるマチワイヤ・VHO法などの矯正療法もできなくなってしまう、

     など「爪を切りすぎて起こるトラブル」です。

     一方で、このような爪の切り過ぎによるトラブルを経験した医師から、「とにかく爪を伸ばすように」・「伸ばさないと何も治療が出来ない」という指導を受けてしまうことが良くあるようです。

    ※短く切り込んだ爪・肉芽形成時にも施行出来る矯正法は「当院で採用しているそがわ式」のみです。

     さらに、一般的な巻き爪矯正では「爪に穴を開けてワイヤーを通す方式」・「伸ばした爪の側面や正面に装着する器具」が良く使われることから、「巻き爪矯正=余分に爪を伸ばす必要がある」という固定概念が出来上がってしまっているようです。もちろん、「爪のより根元に近いところに装着する方法」もあるのですが、一般的に「爪への接着力や挙上力」が不足する傾向です。

    爪を伸ばすデメリットは?

     巻き爪を治すには「爪を長めに伸ばす」というご説明を受けて、「爪の伸ばし過ぎること」によるトラブルが日常診察で後を絶ちません。
     爪の伸ばしすぎによる弊害には、

    • 爪が靴などにより押されて余計に爪が皮膚に食い込んでしまう、
    • 爪が長いことで、本当に皮膚に食い込んでいる奥部分が見えなくなってしまう、
    • 爪が指腹方向に押されて、爪全体が腹側へ曲がる
    • 靴による圧迫で爪の外反変形が生じ、爪外側根元側に肉芽形成が生じてしまう、
    • 爪自体が押されて、内出血(爪下血腫)・2枚爪状態が生じてしまう、
    • 経過が長引くと、爪の伸びが悪くなる・分厚く肥厚した爪(爪甲鉤彎症)・爪甲剥離になってしまう、
    • 元来、爪には巻く性質があるため、爪を伸ばすこと自体が巻き爪の悪化原因となる、

    など挙げればキリがありません。

    爪の適正な長さはどのくらいなのか?

     日本では、「明治維新以降わらじ・草履での生活」が終わり、「靴での生活」が始まってから未だ100年余りに過ぎません。西洋のように各自の足の形・大きさによる靴のフィッティングを行うことが一般的でない我が国においては、どうしても「足先に余裕のない靴」になりがちです。
     
     すなわち、「爪が足指先と同じ長さ」では、靴を履いたときに爪が靴に当たってしまい、様々なトラブルを起こしてしまうのです。更に、「爪を足先より伸ばした状態」ですと、上記のようなトラブルは更に深刻になります。しっかり靴紐を締めていても歩くときには、靴のなかで足は前後に多少動いてしまうため足先には「1cm程度の余裕」が必要とされます。さらに足のフィッティング等に関心のない人々では、ほとんど余裕のない靴を履いている事が多く、「爪を必要以上に伸ばすこと」様々な弊害の元となってしまうのです。

     一方の問題点としては、巻き爪の「爪切り」の長さに関する基準・定義などが、ほとんどの成書にはしっかりと記載がないことがあります。インターネット検索をすると、

    • 「爪の長さは足先の皮膚」と同じ長さに整える。
    • 「爪は足先皮膚より1mm以内で長め」にする。
    • 爪の白い部分を少し残す程度。

     などとなっていますが、根拠となる理論や文献が見当らず、このような切り方ではトラブルの元となってしまうのです。

    爪の適正な長さは足趾皮膚より1~2mm短く!

     歩いたときに、トラブルの起こさない適切な爪の長さは理想的には、「足先の皮膚より1~2mm短く」が正解です。但し、足先の爪の白い部分(爪遊離縁)に余裕のない方では「出来る範囲で短めに」ということになります。さらに「巻き爪の方」では、爪が巻いているために爪の高さが出てしまうため「余計に靴との当たり」に余裕がなくなってしまうことがあるので、切り方の工夫が必要となります。

    まとめ
     巻き爪の正しい切り方は、
    • 爪の長さは皮膚よりも1~2mm短く
    • 形状は「ラウンドスクエア」に整える
      ことが基本となります。一方で、爪の状態により様々な「個別の対処」も必要となります。

     

    巻き爪を切るべき理由・切り方での問題点

     巻き爪の切り方が分からずに「ただ、切り方を知らない」で伸ばしてしまう、「医師から伸ばさないと治療ができない」と云われて、「インターネットでも伸ばし気味にしておく」という情報をみてトラブルを起こして来院される患者さんをよく拝見します。

     爪を伸ばしすぎると、前記のように様々な弊害があります。では、爪をきちんと理想的に切る場合には、どのようにすれば良いのでしょうか?以下に①必要な道具類、②巻き爪を切る姿勢、③具体的な切り方や対処法について順番にご説明していきます。

    巻き爪を切るのに必要な道具・ニッパー等は?

     当院では、巻き爪矯正に力を入れており「様々な爪トラブルの患者さん」がご来院されます。通常使われる「テコ式爪切り」、いわゆるクリッパー型爪切りを治療で使うことはありません。一方で専門店にいくと、爪切りの種類は数多くあり「一体どれを選んだら良いか」分からなくなってしまいますね。では、お勧め順に爪切りのご紹介をしていきましょう。

     爪切りは、一般的には「赤ちゃんなどの柔らかい爪」に用いる「ハサミ型爪切り」、通常の手足の爪切りに使われる「クリッパー型爪切り」・工具のニッパーのように刃先を開ける「ニッパー型爪切り」の3種類があります。巻き爪以外の手爪や足爪では、指先の形状にあわせて「軽くカーブをつけて」爪を切ることが多くなるために、クリッパー型爪切りの多くには凹型のカーブが付けてあります。クリッパー型爪切りは、別名「テコ式爪切り」とも云われ、軽い力をハンドルに掛けても「テコの原理」でしっかりと爪に力が掛かるのが特徴です。

     一方で、テコ式爪切りでは「厚くなった爪をうまく切れない」、「巻いている爪端の処理が困難」などの理由により当院では、おもに下記の爪切りを院内で用いております。

     ニッパー型爪切り

     ニッパー型爪切りの特徴は、「力の入れ方にコツ」があるものの、刃先を大きく開くことができるため食い込んだ爪の角や分厚い爪に対しても対応できることが特徴となります。

    ①マルトネイルプロⅡ・長谷川工作所(当院推奨度◎)

     巻き爪の専門書でも推奨されている定番のニッパー型直歯タイプ爪切りです。新潟燕三条に本社のあるマルト長谷川工作所さんが製作しており、日本製となります。通常の爪切りよりも段違いに良く切れます。当院でも、巻き爪やご高齢者の爪切りに定番品として用いており、巻き爪でお困りの方には「まずこれをお勧め」しております。刃先も程よく大きく開く万能タイプの爪切りといえましょう。

    ②幸せの爪切り・ゴッドハンド(当院推奨度○)

     とにかく、良く切れます。当院で行っている「そがわ式巻き爪矯正」をご指導していただいている十川先生からも推奨されております。刃先には「通常タイプ、先細タイプ、極細タイプ」の3種類があります。ゴッドハンドは、元々はプラモデル製作などに使うニッパーをメインに作っている業者さんです。
     当院で所有している先細タイプのものは「咬み合わせも良く、非常に良く切れる」のですが、あとから購入した極細タイプの刃先は良く切れるのですが、最後に力が入りにくく「若干、製品に個体差」があるようです。問題点は、ヤフー・楽天での購入が可能なのですが常に品切れ状態で、もし在庫があれば早めに購入しないと手に入れにくいです。

    ③巻き爪専用凸歯ニッパー・グリーンベル(当院推奨度○)

     巻き爪専門医である香川県の整形外科医「十川秀夫先生」のご考案によって開発された爪切りです。爪が巻いてしまうと通常のテコ式爪切りで切ることが困難となります。また、爪をスクエアに切るとカーブの頂点である爪の中央部が足趾の上方に突出してしまい、靴を履くときに当たってしまいます。
     これを解決するには、爪の中央に向けてやや「逆ラウンド気味」に切り込む必要があり、そのために開発された爪切りが「凸歯ニッパー型爪切り」となります。通常の爪切りと逆のカーブを持つことにより巻き爪の内側に貯まりがちな角質除去にも適しています。

    ④匠の技ニッパー爪切り・グリーンベル(当院推奨度◎)

     上記の凸歯爪切りを作成している大阪のメーカーさんで、グリーンベルという会社が作っています。日本製であること、通常の爪に沿ったカーブ形状で切れ味も非常によく「通常の爪~やや厚めの爪まで」幅広く対応できます。切れ味に個体差が少なく、安定して切れることも特徴です。

    ⑤SUWADA爪切りクラシック(当院推奨度◎)

     諏訪田は、1926年創業の新潟燕三条にあるニッパーなどの刃物を作ってきた会社です。とくにスタンダードタイプの「クラシック」は、厚くなった肥厚爪(爪甲鉤弯症)の爪切りには定番で、ほぼ切れないものはないと云って良いくらいの切れ味です。爪のカーブに沿って曲がった刃先は、非常に大きく開くことができ、分厚くなった爪も「日本刀で切るが如く」すっと刃先が入っていきます世界中のネイリストや医療従事者たちも愛用しているとのことです。

     

    テコ式(クリッパー型)爪切り

    ①巻き爪用斜め直線歯・貝印

     通常のテコ式爪切り(クリッパー型)では、尖った角などを切りにくくなってしまうので、テコ式の形式を残しつつ、爪端を切りやすいように斜めの直線刃とした爪切りがあります。直線刃であるために爪を極端なラウンド型に切らずに済み、かつ理想的なラウンドスクエア型に近いかたちで切りやすい爪切りとなっています。巻き爪があるのだか、ニッパー型では使いにくい、なるべく普段使っている「テコ式」に近いものがいいという方に向いている爪切りです。

    ②巻き爪用凸歯・貝印

     極端な巻き爪となってしまうと「Ω型」の爪となってしまい、中央部が足趾の上に突出してしまいます。そうなると、靴で伸ばした爪の先が圧迫されることにより巻き爪がいたくなってしまうことがあります。その場合、中央部の巻いて出っ張っている部分のみ、削り落とすように切る必要がでてきます。


     通常は、ニッパー型の直線刃もしくは凸刃ニッパー爪切りでうまく切れれば良いのですが、ニッパー型が不得意である方向けに、「テコ式の凸刃爪切り」が貝印から販売されています。

    ハサミ型爪切り

    ・ステンレス製スリムニッパー爪切り・グリーンベル(当院推奨度◯)

     大人でも使えるハサミ型のスリムニッパー形状の爪切りです。先が通常のニッパータイプの爪切りよりも細くなっており、一部の棘状に残ってしまった爪の角などをカットするために役に立つ形状です。爪切りの刃部分にギザギザがついており、細かな部分を切るときにも滑りにくくなっています。

     爪ヤスリ等

    ①ゾーリンゲン爪ヤスリ(当院推奨度◎)

     ドイツのゾーリンゲンで作られている爪ヤスリです。片面は荒研ぎ用・もう一方はやや細かい研磨面となっており、ニッパーなどで大まかに切った巻き爪の角を整えるのに大変重宝します。

    ②マイクログラインダーHD-10・ウラワ(当院推奨度◎)

     ネイルケアマシンで、有名なメーカーです。電池式の簡易ネイルルーターで、ぶ厚い爪を削ったり、ニッパーで切った爪の角などを整えるために使用します。「ウラワ・HD10」で検索しますと、amazonなどでも比較的安価で販売されており、当院でも爪をご自宅で削る必要がある方にお勧めしております。

    ③ポータブルネイルマシンG3・ウラワ(当院推奨度◯)

     充電タイプの持ち運び可能な本格的なネイルマシンです。パワーが強く、先端のビットを交換することで角質削りなどさまざまな用途に用いる事が出来ます。より高位バージョンのG5という機種もあります。皮膚科クリニックにおいても、肥厚爪の爪切りやケアを行っていくには必要なマシンです。

    ④爪ゾンデ;DC-200R

     もともとは、歯科用の歯石取り用のゾンデですが、改め「爪ゾンデ」としても販売されています。型番「DC-200R」を検索するとamazonなどで購入可能です。

     当院では、おもに上記の爪切りを状況によって使い分けて「巻き爪矯正・ケア、肥厚爪の爪切り等」をおこなっております。

    巻き爪の切り方の姿勢・準備

     巻き爪の爪切り・ケアにおいては、患者さんにベッドに座って足を伸ばしていただき「施術者である担当医師」が、足爪に対して正対した位置に低めの椅子をおいて施術を行っております。初診の方では、「皆さま」何をされるかご不安に思われていることが多く、①爪の基本構造、②巻き爪で爪が痛くなる原理、③どのように爪を持ち上げて治していくか、などを大まかに「まずご説明」しております。
     巻き爪では痛みを感じやすくなってしまっている方も多く「痛みがある部位」や「患者さんの表情などからご不安そうか」などを判断しつつ治療を行います。痛みがでやすい場面では、「ベッドの背もたれ」を挙げて寄っかかっていただいたり、補助者に足を軽く抑えて貰いながら「巻き爪矯正や爪切り」を行っていきます。

     ご高齢者などで動いてしまう方では、同伴したご家族の方に「体や脚が倒れないように支えて」いただくようご協力をお願いすることもあります。「液体窒素療法やテーピング」などの有効性の低い治療のみを繰り返されていると、「非常に痛みに敏感」になり、患部をさわることすらできない場合があります。矯正をはじめとする保存治療には時間が掛かってしまうことに加え、患者さんの自己管理もある程度必要となるため、そのような際には「手術をお勧めして」大きな専門病院の形成外科にご紹介状を書かせていただく場合もございます。

     「爪の巻いている状態や爪端の喰い込み程度」の判断には、患者さんと正対することが多いのですが、介護の現場では「ご不安を和らげるために」、爪切りの施術者が患者さんと横に寄り添い「同じ方向に向きながら」爪をきる場合もあります。

    巻き爪の本当に正しい切り方について【対処と看護】

    当院での巻き爪の切り方と看護ケア

    トラブルの元が何であるか爪の状態観察を

     巻き爪や肥厚爪など、まずは「患者さんに施術を行うことをご説明する」ことから始めます。痛みのある部分がある場合には、「施術者の指などが不用意に触れないように」注意をしてケアを行っていきます。巻き爪の切り方において注意するポイントは以下の通りです。

    • 爪周囲明らかな出血や腫張・痛みはないか?
    • 喰い込んだ爪端が肉芽形成を伴っていないか?
    • 足趾を正面から見て爪の角はみえているか
    • 爪甲下に異常な角化物は貯まっていないか
    • 爪の剥離・爪の反り上がりなどの異常はないか?
    • 肥厚爪(爪甲鉤弯症)や爪の外反変形はないか?
    • 爪の角必要以上に尖っていないか

    などを患者さんとお話しながら、おおまかに観察していきます。

    肉芽腫形成や巻き爪が喰い込んでキズを作っているケース・切りすぎて爪端が見えない場合などは、別に対策ページを作成予定です。

     

    巻き爪の状態確認・巻きの程度の確認について

     実際に爪を切るにあたり、爪甲本体についても確認・アセスメントを行っていきます。
    ① 余分な切るべき爪の長さ、②切り方の形状について問題ないか、③爪縁皮膚の喰い込み具合、④爪角の巻きの程度、などをみていきます。次に爪の前縁を支えながら、側爪郭の皮膚をやや「腹側方向」へ引き下げて「爪脇~爪先の角」の状態を確認します。

    爪端の出し方については、下記についてもご参照ください。

     

     「爪を支えながら側爪郭部皮膚を引き下げる操作」によって、爪縁~爪先の角部分が少しずつみえてくるはずです。さらに、爪前縁の隙間「爪ゾンデ」を差し入れて爪前縁の端を軽く持ち上げてみます。側爪郭を引き下げて、爪前縁を持ち上げることによって爪脇部分の角が露出されて見えてきます。この時点で、爪の巻きの角度が強く(約60°以上)皮膚に喰い込んでいる場合には「巻き爪矯正」も考慮したほうがよいかもしれません。

     一方で余り歩かない寝たきりのご高齢者では、爪が多少巻いていても「痛みを感じない」のであれば、あまり奥まで触らずに「いわゆるスクエアオフ型」の爪切りのみで経過をみてもよいでしょう。

    爪端先の角の処理

     まず、行うべきことは「爪端先の角の処理」です。爪は横方向にも巻いていますが、実は足趾先で地面を踏み込む力に対抗するために、足先方向にも下側(腹側)に巻いています。従って、「爪をスクエアに切る」のみですと、爪端の角が腹側に尖って切り残してしまうケースがあるのです

     爪脇先の「下方向に尖った切り残した爪」が大きな場合には、直刃のニッパー型爪切りにて切除を行い、余り大きくない場合には「爪ヤスリ」で整えていく事で、「爪脇が先端から根元までストレートな形状」とします。爪脇をストレート形状に整える事によって、爪の根元がどのくらい喰い込んでいるかが判断可能となり、また爪脇にある角質物などもきれいに除去しやすくなります。

     さらに、爪端をストレートに整えるメリットは、「爪先の巻きの形状」に余裕が出ることによって「実は思ったより爪が巻いていないこと」が分かること、さらに爪端の角が余裕をもって側爪郭部の先に出ていることによって、「爪をどこまで切れば良いか」が判断しやすくなることです。つまり、「側爪郭皮膚に爪端が触れている部分」と「側爪郭より完全に離れて浮いている部分」の境目が爪をきる理想的なラインの目安となるのです。

    爪があまりに長く伸びすぎの方では、おおまかに爪を切ってから上記の操作を行うようにします。

    爪を切るラインの決定

     上記の爪端を切るポイントが決まったら、次は「爪甲左右の切るべきポイント」なるべくストレートになるように結んで切るラインをデザインしていきます。もし、爪床と爪甲が足趾先まで付いてしまって爪遊離縁(爪の白い部分)が狭い方では、ややラウンド気味にきる必要もあるでしょう。あまりに「スクエア(オフ)カット」にこだわると、爪端の角が足趾の先よりも出張ってしまう場合がありますので、完全なスクエアを目指さずに「角を残しつつも、ややラウンド気味=ラウンドスクエア」を意識して切る形状を決めていきます。

    コラム
     実は、これって多くの人が無意識にやっているはずです。当方も元々軽度の巻き爪気味であり、切りすぎてしまうと痛くなって後悔した経験があります。爪脇の皮膚を引き下げて、余裕を持って爪がちゃんと皮膚(側爪郭部)の上に伸びてこれる長さを目安に爪角の切るポイントを決めて、通常のテコ式の爪切りで自分の足爪をラウンドスクエア気味に切っております。

     巻き爪は伸ばしすぎると、靴などで押されてしまい痛みが強くなる傾向があり、また伸ばすことで余計に巻いてしまう事がありますので、不必要に伸ばさないことが巻き爪を予防するためにも大切と云えましょう。巻き爪を切るコツとしては、一度に切ろうとせずに何遍かに分けて、少しずつ切った方が安全です。

    以上の爪を切るラインの決定方法は巻き爪がない方でも同様に目安とすることが出来ます。

    ※なお、爪甲と爪床のあいだの遊離縁には個人差があるため、「爪の白い部分を1,2mm残す」という記述も正しいとは云えません。

    爪下・爪脇の掃除

     爪脇をストレート形状に整えると、爪のより根元側のスペ-スがよく見えるようになります。爪の前縁を持ち上げながら、側爪郭部の皮膚を下に押し下げると爪脇のスペ-スもよく観察できます。爪を適正な長さに切ると、爪前縁の下側のスペースも同時に見やすくなり、「爪ゾンデや爪ヤスリ」などで角化物や垢などの掃除がしやすくなります。

     上記のように切っていくと、爪の端部分に白く浮いた部分(遊離縁)が少しのこる事が一般的です。爪端の遊離縁がどこまで奥にあるかも大切です。巻き爪は爪の先端のみでなく、根元にかけて奥の方も巻いてしまうことが多々あり、爪端の遊離縁をしっかり掃除をしてきれいに出しておくこと巻き爪の予防にも大変有効となります。

     爪端遊離縁の根元側を持ち上げて、側爪郭皮膚を押し下げると爪端のスペースが確保できるようになります。すると、爪脇に貯まった角質、垢・爪の甘皮などもしっかりと見える様になります。軽く爪前縁を持ち上げながら、側爪郭部の隙間を爪ゾンデなどできれいにしていきましょう。

    ワンポイントアドバイス
     アルコールにかぶれやすい方以外では、市販のアルコール綿(酒性綿)で濡らしながら除去するようにすると、硬くなった角化物も取りやすくなります。

     

    爪の角の整え方

     爪端をストレートに整え、かつ爪をラウンドスクエア型に理想的に切ったあとには、角を整える作業が残っています。爪の角をヤスリなどで削って整える目的には、

    • 爪の角が尖っていると靴下などに引っかかったり、ぶつけやすくなるのを防ぐ
    • 爪の角が過剰にでていると靴などで圧迫されてしまい爪変形の原因となりえる
    • 爪端の角が尖ってしまっていると、爪の角が皮膚に喰い込みやすい
    • 爪の角の形状をスムースに丸めることで爪端が側爪郭の上に伸びやすくなる

    などがあるでしょう。

     ●爪端の整え方はスキーの先端形状

     爪の横断面をみていくと、爪甲の両端は下方向(腹側)へ弯曲しており「両爪縁が側爪郭部」とバランスを取っています。さらに、爪脇の前後方向の形状と側爪郭部との関係をみていくと、「爪端の先部分」が側爪郭皮膚の上にきちんと乗ってくることも大切です。

     爪端部分は、側爪郭部皮膚とのバランスを取りながら、足趾先に伸びていきます。「足先をしっかり踏ん張る力」と拮抗するために、どうしても爪端の先の角は、「爪郭部の皮膚」に当たりやすくなります。そのため、爪端の先が「側爪郭皮膚」の先端上にスムースに伸びてくるように、爪先の角をスムースに整え誘導していくことが重要です。

     イメージとしては、スキーの前端(チップ)部分が、雪の中をかき分けて進む際に埋もれてしまわないよう「先が反り挙がった形状」をしているように、爪の先端もスムースに側爪郭の上に誘導できるような形状にしましょう。爪の角をヤスリで落として丸める理由としては、単に角が当たらないように削っておくのみでなく、爪の端がスムースに皮膚の上に伸びるために必要なことだったのです。


    爪の角を整える理由は、爪を上から見て角がスムースであるだけでなく、爪脇を横方向からみて爪脇先端がスムースに側爪郭上に伸びるようにすることなのです。

    その他の爪の切り方
     肥厚した爪・外反した爪の切り方については機会があれば、また別にまとめて行きたいと思います。

    巻き爪の切り方で出血しやすいケースは?

     通常の爪ではない「肥厚した爪や巻き込んだ爪」を切っていると「意図せずに出血」させてしまうことがあります。出血の起こりやすいケースは、限られており以下のような場合が考えられます。

    1. 爪先の遊離縁(爪が浮いている白い部分)が通常より狭いケース
    2. 爪の巻きが高度で、かつ爪甲直下に血流のある爪床がある場合
    3. 爪の巻きが強く、巻き爪矯正に伴い爪甲が剥がれてしまうケース

     

     爪はその根元から「爪甲と爪床」が一体化して足趾末端に向かって伸びていきます。一方で、爪先にくると爪床に角質化が起こり、「適度な部分で爪甲が爪床から浮いて」きて爪遊離縁となることが一般的です。個人差、体質などから「爪甲と爪床が比較的末端まで付着している方」がおり、爪を切る際には「ゾンデ・爪ヤスリ」などで爪が浮いている部分を確認してから切ることで出血を予防可能です。

     巻き爪が強く曲がり「弯曲爪」となっているケースでは、巻きがつよい爪甲中央部分で「爪甲下の角質物」が増えて爪と一体化していることがあります。巻き爪をうまく挙上するためには、この「爪甲下角化物」を如何にうまく除去できるかが重要なのですが、人によっては「角質物の形成が少なく」、巻いている爪甲の直下に挟まれるように「血流のある爪床」が存在するケースがあります。爪の巻きが遷延化した患者さんでは、爪も爪甲下の爪床も硬くなってしまい、「矯正による形状変化」について来られず出血する場合があります。

    看護師・介護士さんがどこまで対処できるの?

     基本的に、合法的には業として「人の体」に刃物を当てることが許されている職業は、「医師・理髪師」のみとなります。一方で、「爪そのものに大きな異常がない」、「爪周囲に炎症や膿がない状態」などの条件の下に、単なる爪を切る行為は「医療行為に該当しないため」に看護師・介護士の資格があるものが行うことも問題ないとされています。

    厚生労働省「医師法第17条、歯科医師法第17条及び保健師助産師看護師法第31条の解釈について(通知)

    看護師が爪切りしない理由は?

     以前は、介護施設のスタッフさん爪切り行為時に出血させてしまい、「虐待だ」と云われたり、看護師さんが「看護行為として必要性があっておこなった爪切りで出血させてしまい、裁判が起こったこともありました。 現在は、国の正式な通達(法律に準じる規則)として「正当業務範囲内」であることが認められ、巻き爪の予防的ケアである爪切りは「医師でないものが行っても違法性がない」との判断になっております。

     

    巻き爪の切り方を動画に致しました

    まとめ

    巻き爪の切り方で困っている方は大勢いる

     巻き爪をきちんと切ると気持ちいいですね。伸びた爪をきちんと切ってくれる施設はあまりないようで、爪切りのご指導を行うと患者さんから喜ばれることもあります。一方で、「単なる爪切りである」という考えからなのか、専門書に於いても正確な爪切り方法の記載がなく、かつ「爪切りの形状」や「適切な長さ」に関しても詳しい記述・理論付けがありません。
     爪を伸ばしすぎる大きなデメリットは、長年の圧迫の結果として、巻き爪が返って悪化しやすいことに加えて、年齢があがるに従って爪の伸び方が悪くなってしまい、肥厚爪・爪甲鈎弯症などになりやすいことです。

     

     当院では、15年以上に渡り「さまざまな巻き爪矯正法」を通じて爪を切る機会に恵まれてきました。さらに、「巻き爪矯正の各種講習会」に多数参加することでどのように爪をきれば良いかについても、色々なご指導を頂くことが出来ました。

     このページに書かれた内容は、現在当院で行っている爪の切り方や道具等についての実際を述べたものとなります。若干、他のホームページや教科書とは違う内容となっている部分もありますが、長年「巻き爪ケア・矯正療法」に関わってきた一人として、正しい爪切りについての考えを書かせていただきました。本ページの内容が、「巻き爪に関わる介護の方」や「医療従事者の方々」の参考になりましたら幸いです。

    お願い
     当院では看護師、介護師資格を持つものが、爪切りをすることがあります。医師の指示・監督の元で行う正当業務行為となります。細心の注意を持って施術を行っておりますが、万が一出血するリスクがあることをご理解のうえ受診されるようお願い申し上げます。
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