水いぼ/MB-F クリームとは?

水いぼのMB-Fクリームによる痛くない治療の選択枝

 MB-Fクリームとは、水いぼウイルスへの効果を期待して開発された世界初「殺菌効果の高い銀イオンを配合」した伝染性軟属腫専用保湿クリームとなります。発売1年で日本全国200施設以上への導入実績があり、当院でも導入4年目で水いぼに対する高い臨床効果を実感しております。

 医療機関向け限定の取り扱いパンフレットによると、「MB-Fクリームは、①強力な抗菌作用がある銀イオンと②強力な保湿成分であり、かつ抗炎症作用も報告されているサクランを配合したクリームです。強力な抗菌効果のある銀イオンを配合したMB-Fクリームは、皮膚感染症を併発する恐れのあるケースの保湿剤としてご活用いただければ幸いです。」とあります。

 さらに開発医師の学会報告によると3カ月使用での治癒率は約81%(n=84)で、12カ月の長期臨床結果は96%の治癒が得られた(n=100)との記述があります。

 ※水いぼは治癒過程で発赤/腫張などの感染徴候を伴うことがあります(BOTE徴候)。MB-Fクリームは水いぼの治癒時に起こる感染徴候も制御できる可能性があります。

MB-Fクリームの開発者は?

 MB-Fクリームを開発されたのは、熊本県菊池郡にあるアトピアクリニック(皮膚科)の院長である稲葉葉一医師となります。稲葉医師は、昭和60年福岡大学医学部を卒業され、熊本大学医学部皮膚科に入局されました。その後、社会保険下関厚生病院・NTT九州病院などを歴任され、2001年現アトピアクリニックをご開業されています。

 稲葉医師の専門分野は、アトピー性皮膚炎・ウイルス性疣贅・ポリフェノールと抗ウイルス作用・爪白癬の外用療法などとなっております。

※出典;http://www.kumamoto-keizai.co.jp/content/asp/week/week.asp?PageID=3&Kkiji=17472&Knum=35&tpg=1

 なお、2026年現在、ウイルス性いぼで著明な江川清文先生もアトピアクリニックで火・水に外来をなさっており、さらに江川先生と稲葉医師との共著となる原著論文も4件もあることから、イボ治療について相当な造詣が深い研究者であると考えられます。

MB-Fクリームの名前の由来は?

 「MB-F(エムビーエフ)」という製品名の由来については、
M=Molluscum(軟属腫)
B =Bacteria(細菌)
F =Fungus(真菌)
の3つの頭文字を取り、伝染性軟属腫のケアにプラスして「細菌や真菌」への抗菌効果もある「銀イオンを配合した専用クリーム」という意味がこめられているそうです。

MB-Fクリームご購入時のお願い


 MB-Fクリーム(3A M-BF CREAM)の取扱店は、「医療機関もしくは医院が指定した調剤薬局に限定」となっており、一般の方は通販/Amazonなどではご購入できず市販もされておりません。メルカリなどで転売されているものは、非正規品であり販売元の「岩城製薬イルセラグループ」からも安全面での注意勧告がでております。

転売禁止についてhttps://illsera.iwakiseiyaku.co.jp/news_9.php 

 当院では、近隣のあおい薬局さんでの販売とさせていただいており、「必ず診察を受けて医師からの指示書」を発行した上でのご購入とさせていただいております。発売メーカーからの要請により診察を受けずに「MB-Fクリームの指示書」を発行することはできません

MB-Fクリームの論文・学会発表などはある?

 当方が皮膚科学会総会で「MB-Fクリームのパンフレット」をみたときには、発売会社は3Aims(スリーアイムス)という企業で、てっきり海外で使われていたものが日本に導入されたのかと思い込んでしまいました。今回のブログを執筆するにあたり、英文のデータベースであるPubMedや日本語論文のデータベースの医中誌で「MB-Fクリームor銀イオン配合クリーム×伝染性軟属腫」と検索を掛けるもほとんど何も出てきません。

 唯一、検索で出てきたのが下記の会議録となります。

 熊本県菊池郡にあるアトピアクリニック稲葉葉一院長は、銀イオンを使った水いぼの治療薬を考案/開発し、2016年2月に開催された第79回日本皮膚科学会東京支部学術大会で発表されました。当初、銀イオン軟膏「ウイルス性イボ」に対する効果も検証されましたが効果が出ず「水いぼ」に対して1~3才の乳幼児84名に試したところ、平均58日で81%の水いぼが治癒したとの結果が得られたそうです。

 「銀イオン配合抗菌軟膏(なんこう)の伝染性軟属腫への臨床試用」と題された学会発表でしたが、じつはその後、さまざまな事情で大学病院等での大規模な臨床試験は行うことが出来ずに、論文にもなっていないようです。一方で、臨床試用の結果から「銀イオン配合抗菌軟膏の効果を確信した稲葉医師は、みずから3Aims合同会社の設立に係わり、2018年に銀イオン配合軟膏は「MB-Fクリーム」として発売されました。

MB-Fクリームの現在の発売元は?

 発売当初は、熊本市にある合同会社「3Aims」から発売されていたMB-Fクリームですが、その後全国の医療機関に採用が拡大したことで対応が困難となり、2024年12月より皮膚科後発品メーカーとして有名な岩城製薬 (株)イルセラグループに販売元が移管されました。なお、「イルセラ」とは、「イル スキン セラピー(Ill skin therapy)」=病気の肌を癒やすという意味をこめたスキンケアブランドとのことです。

 なお、イルセラの販売サイト医療機関限定となっており、一般の方もしくは医薬品卸し業者への販売は行われておりません。MB-Fクリームをはじめとする「イルスラ製品のご購入」下記の取り扱い医療機関に直接ご相談下さいとあります。

MB-Fクリーム取り扱い病院・クリニックhttps://illsera.iwakiseiyaku.co.jp/page/clinic

MB-Fクリーム使用にあたってのお願い

 現在、MB-Fクリームは大規模な臨床試験をおこなって薬事承認を得た「医薬品」ではなく薬事法上は「化粧品」に該当する製品のため、販売会社から不特定多数の方に効能効果を宣伝できないものとなっております。従って、現在の発売元からは詳細な資料などはあらたに作成されておりません。

 通常はMB-Fクリーム1本15gで税込み2200円で発売されていますが、水いぼが小さく・数が少ないうちは良いのですが、数が増えてしまうと使用本数が増えてしまいます。現在、都内では15才以下のお子さんの医療費が無料であることを考慮すると自己負担額がそれなりに掛かる治療法とも云えます。

 また、あくまで伝染性軟属腫の芯であるモルスクム小体(ウイルス塊)を壊死におちいらせ自然免疫を促す作用のため、多量に水いぼがある方ほど、治るときに一過性の悪化/感染徴候BOTE徴候(begin of the end sign))が生じます。治ってくる徴候ですので、抗菌剤内服/外用などで症状を抑え、MB-Fクリームを継続するようにしましょう。副作用は非常に少なく発赤/かゆみなどが1%以下となっております。

★現在、当院では「いわゆる水いぼ取り」は行っていません。

 MB-Fクリームに関してのお話はここまでとなります。MB-Fクリームの元となった「銀イオン配合抗菌軟膏」についての詳細は、開発者である稲葉医師のクリニックのホームページにも掲載されています。なお、次頁からはあくまで「一般論としての銀イオンの抗菌効果/抗ウイルス効果+強力な保湿作用のあるサクラン」について、もう少しだけ詳しくお話ししたいと思います。

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